- 喘息とは?
- 長引く咳は病院に行くべき?
喘息の重症度チェック - 咳喘息の症状と原因
- 気管支喘息の症状と原因
- 咳喘息・気管支喘息の検査方法
- 咳喘息・気管支喘息の治療法
- 喘息を悪化させる要因とは?
- 喘息のよくある質問
喘息とは?
喘息は気道の慢性炎症により気管支が狭くなったり、刺激に対して過敏に反応したりする疾患です。気道の炎症が持続することで、喘鳴(ぜんめい)、咳、呼吸困難などの症状が現れます。適切な診断と治療により症状のコントロールが可能な疾患です。
咳喘息と気管支喘息の違い
咳喘息は主に長期間続く乾いた咳が特徴で、典型的な喘鳴や呼吸困難は伴わないことが多いです。一方、気管支喘息は喘鳴、呼吸困難、胸苦しさなどの症状が加わります。咳喘息は気管支喘息の前段階として考えられており、適切な治療を行わないと重症化する恐れがありますので、当院までお早めにご相談ください。
長引く咳は病院に行くべき?
喘息の重症度チェック
継続する咳や呼吸器症状がある場合は、早期の受診が重要です。症状の程度や日常生活への影響を評価することで、適切な治療方針を決定できます。
以下は喘息の重症度に応じた目安です。ご自身の状態にあてはまる項目があるか、ぜひチェックしてみてください。
間欠型
症状が時々現れる程度で、日常生活にはほとんど影響がありません。症状が強い時期のみ治療薬を使用する程度で、症状は比較的早期に改善することが多いです。
咳や違和感を何度も繰り返す場合には、早めに医療機関を受診して原因を確認しておくと安心です。
軽症
日常生活に大きな支障はなく、軽度の咳や時折の息苦しさを感じる程度です。夜間の睡眠にもほとんど影響がありません。症状が長引いたり、市販薬などで十分な改善が見られない際には、一度医師に相談することで悪化を防ぐことができます。
中等症
日中の活動や夜間の睡眠に時々影響が出始めます。咳や息苦しさが頻繁に現れ、運動時に症状が強くなることがあります。日常生活に支障が出始めている場合は、適切な治療開始のためにも速やかな受診が必要です。
重症
日常生活に大きな制限が生じ、夜間の睡眠が頻繁に妨げられます。軽い活動でも息切れや咳が出現します。
このような状態では症状が進行している可能性が高く、できるだけ早く医療機関を受診し、専門的な治療を受けることが重要です。
咳喘息の症状と原因
咳喘息は、気道の炎症により長期間にわたって乾いた咳が続く疾患です。典型的な喘息とは異なり、喘鳴や明らかな呼吸困難は伴わないことが特徴です。
咳喘息の症状

- 数週間から数か月にわたって続く乾いた咳
- 夜間や早朝に特に強くなる咳の症状
- 冷たい空気、運動などの刺激により誘発される咳
咳喘息の原因
アレルギー体質、遺伝的要因、環境因子などが複合的に関与しています。ダニ、カビなどのアレルギーの原因物質(アレルゲン)への曝露、気温の寒暖差、ストレスなどが原因です。
気管支喘息の症状と原因
気管支喘息は、気道の慢性炎症により気管支が狭くなり、喘鳴、咳、呼吸困難などの症状が繰り返し現れる疾患です。症状は可逆性であり、適切な治療により改善が期待できます。
気管支喘息の症状

- 特徴的な喘鳴(ヒューヒュー・ゼーゼーという呼吸音)
- 息苦しさや呼吸困難感
- 胸の圧迫感や痛み、持続的な咳の症状
気管支喘息の原因
遺伝的要因と環境要因が複雑に関与しており、アレルギー性のものでは、ダニ、花粉、動物の毛、カビなどが原因となります。非アレルギー性のものでは、感染症、ストレスなどが関与します。
咳喘息・気管支喘息の検査方法
喘息の診断には、詳細な問診と身体診察に加えて、複数の検査を組み合わせて総合的に評価します。
肺機能検査
スパイロメトリーと呼ばれる呼吸機能検査を行い、気道がどの程度狭くなっているか(閉塞の有無)を調べます。また、気管支拡張薬の使用前後で呼吸機能の改善が見られるかどうかを確認することで、喘息の特徴である「可逆性」の有無も評価可能です。
気道過敏性検査
薬剤を用いて気道の過敏性を評価する検査です。喘息患者さまでは気道が刺激に対して過敏に反応するため、診断の補助として有用です。
呼気NO検査
呼気中の一酸化窒素濃度を測定することで、気道の炎症の程度を評価します。非侵襲的で短時間で実施できる検査になります。
胸部画像検査
胸部レントゲンやCT検査により、喘息と似た症状を持つ他の呼吸器疾患との鑑別や、合併症の有無を確認します。
アレルギー検査
(特異的IgE抗体)
血液検査により、特定のアレルゲン(ハウスダスト、花粉、ダニ、ペットの毛など)に対するIgE抗体を測定します。アレルギー性喘息の原因を特定することで、適切な治療のご提案に役立ちます。
咳喘息・気管支喘息の治療法
喘息の治療は、症状のコントロールと長期的な気道炎症の抑制を目的として行います。患者さまの症状の重症度やライフスタイルに応じて、個別に治療プランを立案いたします。
基本的な治療として、吸入ステロイド薬による気道炎症の抑制、気管支拡張薬による症状の緩和を行います。また、アレルゲンの除去や回避、生活環境の改善なども重要な治療の一環です。
喘息を悪化させる要因とは?
喘息症状の悪化を防ぐためには、症状を引き起こしたり悪化させたりする要因を理解し、可能な限り避けることが重要です。以下の要因に注意して生活環境を整えることで、症状の安定化を図ることができます。
アレルゲン
ダニ、花粉、カビ、動物の毛などのアレルゲンは喘息症状を悪化させる主要因です。室内環境の清潔保持や適切な換気が効果的です。
感染症
風邪やインフルエンザなどの呼吸器感染症は喘息症状を悪化させます。手洗い、うがい、予防接種などの感染予防対策が重要です。
環境要因
大気汚染、タバコの煙、強い臭い、温度や湿度の急激な変化などが症状を誘発します。
ストレスや生活習慣
精神的ストレス、過労、不規則な生活リズムも喘息症状に影響します。適度な運動、十分な睡眠、ストレス管理により症状の安定化を図ります。
喘息のよくある質問
咳喘息は人にうつる?
咳喘息は感染症ではないため、人から人へうつることはありません。
咳喘息と風邪の見分け方とは?
風邪は通常数日から1週間程度で改善しますが、咳喘息は数週間から数か月間咳が持続します。
喘息を放置するとどうなる?
喘息を放っておくと症状が悪化し、重篤な発作を起こす可能性があります。
気管支喘息でやってはいけないことは?
激しい運動の急な開始、喫煙、アレルゲンへの意図的な曝露、処方薬の自己判断による中断などは避けるべきです。
大人になって喘息になる原因とは?
大人の喘息は職業性アレルゲンへの曝露、ストレス、感染症、薬剤などが原因となることがあります。