TOPへ

咳をすると胸の真ん中・左・右が痛い(ズキズキ)

咳をすると胸の真ん中・左・右が痛いのはなぜ?

咳をすると胸の真ん中・左・右が痛いのはなぜ?咳をするたびに胸が痛むという症状は、多くの患者さまが経験される症状です。咳は本来、異物や病原体を体外に排出するための重要な防御反応ですが、咳が強かったり長期間続いたりすると、胸部に痛みを引き起こすことがあります。

咳による筋肉痛・肋骨への負担

咳をする際には胸部の筋肉や肋骨に大きな負荷がかかります。激しい咳や長期間続く咳により、胸部の筋肉が疲労し筋肉痛を起こしたり、重篤な場合には肋骨に疲労骨折が生じたりすることもあります。

呼吸器疾患による胸痛

肺炎、気管支炎、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺結核などの呼吸器疾患では、炎症が胸膜に及ぶことで胸痛が生じます。

心疾患による症状

狭心症や心筋梗塞などの心疾患でも咳と胸痛が現れることがあります。締め付けられるような痛みや冷や汗を伴う場合は緊急の対応が必要です。

気胸による胸痛

突然の胸痛と息苦しさが特徴的な気胸は、肺に穴が開いて空気が漏れ出す疾患です。若い男性に多く見られる傾向があります。

その他の原因

逆流性食道炎、縦隔気腫、胸膜炎なども咳に伴う胸痛の原因となることがあります。

咳をすると胸が痛いが熱はない…どんな病気が考えられる?

「熱はないが、咳をすると胸がズキズキと痛む」といった症状に心当たりはありませんか?
発熱を伴わない咳と胸痛の組み合わせは、体のどこかに負担や炎症が起きている可能性があります。特に咳が続くと、肺や胸の筋肉、気道などに影響が出ることがあり、以下のような病気や異常が考えられます。

咳のしすぎによる筋骨格系の問題

心不全では、心臓のポンプ機能が低下することで全身への血液供給が不十分となり、軽い運動でも動悸や息切れを引き起こします。

喘息・咳喘息

喘息や咳喘息では、気道の慢性的な炎症により咳が長期間続き、それに伴って胸痛が生じます。咳をすると胸の奥が重く苦しくなるような痛みが特徴的です。
この場合、胸を押しても痛みはありませんが、「夜間や明け方に咳がひどくなる」「風邪が治ったあとも咳だけが続く」といった症状があれば、喘息系の疾患が疑われます。

詳しくはこちらへ

【部位別】
胸がズキズキと痛む原因

胸痛の部位により考えられる原因が異なります。以下の表は、胸が痛む位置によって考えられる原因についてまとめた表です。

痛みの位置 考えられる原因
胸の真ん中 狭心症・心筋梗塞、気胸、逆流性食道炎、大動脈解離、咳による筋肉痛
胸の左 狭心症・心筋梗塞、心膜炎、肋軟骨炎、肺炎(左側)、胸膜炎
胸の右 肺炎(右側)、胸膜炎、胆石・胆嚢炎、肋骨骨折、筋肉の緊張

咳で胸が痛くなる時の
受診の目安

以下のような症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

  • 咳と胸痛が長期間続いている
  • 呼吸困難や息苦しさを伴う
  • 血の混じった痰(血痰)や膿性の痰が出る

これらの症状は重篤な疾患のサインである可能性があり、早期の診断と治療が重要です。高齢者や基礎疾患がある患者さまは、軽微な症状でも早めの受診をおすすめします。

受診時に正しく症状を伝えるポイント

医師に症状を正確に伝えることで、適切な診断につながります。無理のない範囲で、以下のポイントを整理してから受診しましょう。

  • 痛みの性質(ズキズキ、チクチク、締め付けられるような痛みなど)
  • 痛みの持続時間と発症のタイミング
  • 咳の性状(乾いた咳、痰を伴う咳)と持続期間

咳と胸の痛みに関係する
主な病気

肺炎

細菌やウイルス感染により肺に炎症が起こる疾患です。咳、痰、発熱に加えて胸痛が現れ、深呼吸や咳により痛みが増強します。

詳しくはこちらへ

気管支喘息・咳喘息

気道の慢性炎症により咳が持続し、それに伴い胸部の筋肉に負担がかかって痛みが生じます。適切な治療により症状の改善が期待できます。

詳しくはこちらへ

慢性閉塞性肺疾患(COPD)

主に喫煙が原因で気道に炎症が起こる疾患です。慢性的な咳や痰に加えて、進行すると胸痛が現れることがあります。

詳しくはこちらへ

気胸

肺に穴が開いて空気が漏れ出す疾患で、突然の胸痛と息苦しさが特徴的です。痩せ型の若い男性に多く見られます。

詳しくはこちらへ

咳をすると胸が痛む時の
検査方法

胸部レントゲン検査

肺炎、気胸、肺結核などの有無を確認する基本的な検査です。胸部の広い範囲を短時間で撮影でき、胸痛や咳の原因となる肺や気管支の異常のスクリーニングとして非常に有用です。

胸部CT検査

胸部レントゲンでは映らないような、より微細な病変を立体的に確認できる高度な検査です。
肺がんや肺結核の初期病変、間質性肺炎、気胸の小さな空気漏れなど、詳細な診断が求められる場合に実施されます。

詳しくはこちらへ

心電図検査

心電図では、心臓の電気的な活動を記録し、異常なリズムや血流不足のサインがないかをチェックします。心疾患の可能性がある場合に実施し、心臓の電気的活動を記録します。

血液検査

体内の炎症の程度や感染の有無、心疾患のマーカーなどの測定に向いています。

咳をすると胸が痛む時の
治療方法

咳をすると胸が痛む時の治療方法治療は原因疾患により異なりますが、咳による筋肉痛の場合は消炎鎮痛剤の使用や安静が効果的です。肺炎や気管支炎、喘息、咳喘息などの呼吸器疾患が原因となっている場合は、抗菌薬や気管支拡張薬、吸入ステロイド薬など、症状に合わせた薬物療法を行います。
また、心疾患が疑われる場合は、心電図などの検査をもとに心疾患の有無を確認し、必要に応じて専門医の治療が行われます。
大阪市西区の堀江にのみや内科クリニックでは、患者さまの症状や検査結果を総合的に判断し、一人ひとりに合った治療方針をご提案いたします。

咳で胸が痛むときは
何科に行けばいい?

咳と胸痛の症状がある場合、まずは内科または呼吸器内科の受診をおすすめします。
症状の詳細な評価により、必要に応じて循環器内科や整形外科などの専門科をご紹介いたします。胸痛は重篤な疾患のサインである可能性もあるため、症状が続く場合は早めの受診を心がけてください。当院では、患者さまの不安を取り除き、適切な診断と治療を提供できるよう努めています。