- 慢性気管支炎とは
- 慢性気管支炎と喘息は何が違う?
- 咳が続く・痰が出る…
慢性気管支炎の症状かもしれません - 慢性気管支炎の主な原因
- 慢性気管支炎の検査方法
- 慢性気管支炎の治療法
- 慢性気管支炎の対策と再発予防
- 慢性気管支炎は何科を受診すべき?
慢性気管支炎とは
慢性気管支炎は、気管支の粘膜に持続的な炎症が生じることで、咳や痰の症状が長期間にわたって続く疾患です。気管支の炎症により粘液の分泌が過剰になり、気道が狭くなることで呼吸に支障をきたすことがあります。
この疾患は慢性閉塞性肺疾患(COPD)の重要な要素の一つとして位置づけられており、適切な治療を行わないと徐々に進行し、QOL(生活の質)に大きな影響を与えることも少なくありません。大阪市西区の堀江にのみや内科クリニックでは、患者さまの症状の程度や生活状況を総合的に評価し、個別に最適な治療プランをご提案しています。
慢性気管支炎と喘息は
何が違う?
慢性気管支炎と喘息は、どちらも咳や呼吸困難を引き起こす呼吸器の病気ですが、原因や症状の現れ方に違いがあります。慢性気管支炎は長期間の喫煙などによる気道の炎症が主な原因なのに対し、喘息はアレルギーなどによる気道の過敏反応が関係しています。
慢性気管支炎 | 喘息 | |
主な症状 | 持続的な咳と粘性の痰 | 発作性の咳、喘鳴(ぜんめい)、呼吸困難 |
原因 | 喫煙、大気汚染、職業性粉塵への長期曝露など | アレルギー反応、遺伝的要素など |
症状の特徴 | 症状が持続的で徐々に悪化 | 症状に波があり、可逆性 |
治療内容 | 気管支拡張薬、去痰薬、禁煙、酸素吸入 | 気管支拡張薬、抗炎症薬、アレルギーの原因物質(アレルゲン)の回避 |
咳が続く・痰が出る…
慢性気管支炎の
症状かもしれません
慢性気管支炎の症状は初期には軽微で見過ごされやすく、徐々に進行していくことが特徴です。以下のような症状が長期間続いている場合は、慢性気管支炎の可能性を考慮して早めの受診をおすすめします。
慢性的な咳
慢性気管支炎において代表的な症状は持続する咳です。特に寒冷な環境において症状が強くなる傾向があります。痰を伴うことが多く、市販の咳止め薬では十分な効果が得られないことも特徴です。
粘性の痰の増加
気管支の炎症により粘液の分泌が増加し、粘性の高い痰が多量に産生されます。細菌感染を合併している場合は特徴的な色が付く場合があります。
労作性の呼吸困難
病状が進行すると、階段の昇降や歩行などの軽度の運動でも息切れを感じるようになります。初期には激しい運動時のみに現れていた症状が、徐々に軽い動作でも出現するようになり、重症化すると安静時にも呼吸困難を自覚することがあります。
その他の症状
胸部の圧迫感や違和感、全身の疲労感、食欲不振などの症状が現れることがあります。また、感染症にかかりやすくなったり、風邪症状が長引きやすくなったりするなど、全身の抵抗力の低下も認められることがあります。
慢性気管支炎の主な原因
慢性気管支炎の発症には複数の要因が関与しており、中でも長期間の喫煙は主な危険因子です。喫煙により気管支の粘膜が持続的に刺激されることで炎症が生じ、粘液の分泌が増加します。
その他にも、大気汚染物質への長期間の曝露、職業性の粉塵や化学物質の吸入、遺伝なども原因の一つです。
慢性気管支炎の検査方法
慢性気管支炎の診断は、詳細な問診と身体診察に加えて、客観的な検査所見を総合的に評価して行います。当院では、患者さまの負担を最小限に抑えながら、正確な診断のために必要な検査を段階的に実施いたします。
肺機能検査
(スパイロメトリー)
呼吸機能を客観的に評価する検査で、肺活量や気道の閉塞の程度を数値化して評価します。検査は簡便で短時間で実施でき、痛みを伴うことはありません。
胸部画像検査
胸部レントゲン検査やCT検査により、肺の構造的変化や他の呼吸器疾患との鑑別を行います。慢性気管支炎に特徴的な画像所見の確認や、合併症の有無を評価することができます。
血液検査・喀痰検査
炎症の程度を示す血液マーカーの測定をする採血や、細菌感染の有無を調べる喀痰培養検査を行います。
慢性気管支炎の治療法
慢性気管支炎の治療は、症状の改善と病状の進行抑制を目的としてさまざまな治療法を組み合わせた包括的なアプローチを行います。薬物療法では、気管支拡張薬による気道の拡張、去痰薬による痰の排出促進、必要に応じて抗炎症薬の使用などを行います。
慢性気管支炎の対策と再発予防
慢性気管支炎の管理において、治療と並行した生活習慣の改善と予防対策は極めて重要です。患者さまの積極的な参加と協力により、病状の安定化とQOLの向上を目指します。
禁煙の実施
喫煙は慢性気管支炎の進行を促進する主要因子であるため、完全な禁煙が不可欠です。当院では禁煙外来を併設しており、ニコチン代替療法や禁煙補助薬を用いた医学的サポートにより、禁煙をお手伝いいたします。
感染症予防対策
呼吸器感染症は症状の急性増悪を引き起こすため、予防が重要です。インフルエンザワクチンや肺炎球菌ワクチンの接種、手洗い・うがい・マスク着用などの基本的な感染対策を徹底することで、感染リスクを軽減できます。
環境因子への対策
大気汚染や粉塵の多い環境を可能な限り避け、室内の空気環境を良好に保つことが大切です。適切な換気の実施、空気清浄機の使用などにより、呼吸器への刺激を最小限に抑えます。
適度な運動療法
呼吸機能の維持や改善のため、患者さまの体力と症状に応じた適度な運動を継続することを推奨します。当院では個々の患者さまに最適な運動プログラムを作成し、安全で効果的な運動療法をご提案いたします。
慢性気管支炎は
何科を受診すべき?
長期間続く咳や痰の症状でお悩みの方は、呼吸器内科または内科での受診をおすすめします。当院では、呼吸器疾患の診療経験が豊富な医師が、専門的な知識と技術を活かして適切な診断と治療を提供いたします。
慢性的な呼吸器症状は、慢性気管支炎以外にもさまざまな疾患の可能性があるため、正確な鑑別診断が重要です。症状が軽微であっても、継続的に症状がある場合は早めの受診により、適切な治療を開始することができます。