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横になると咳が出る、咳で寝れない

横になると咳が出る・
咳で寝れないのは
病気のサイン?

横になると咳が出る・咳で寝れないのは病気のサイン?夜間に咳が出やすくなる背景には、自律神経の働きが大きく関係しています。昼間は交感神経が優位で気管支が拡張されていますが、夜間は副交感神経が優位になり気管支が狭くなります。この状態で横になることで、気管支内の分泌物やアレルギーの原因物質(アレルゲン)が気道を刺激し、さらに気管支が狭くなって咳が出やすくなります。
特に注意が必要なのは、心不全のサインとしての夜間咳嗽です。心不全では横になると肺血管に血液が滞り、それが刺激となって咳を引き起こします。上半身を起こすことで咳が軽くなる場合は、心疾患の可能性を考慮する必要があります。また、肺がんの初期症状として持続的な咳が現れることがあります。風邪ではないにもかかわらず2週間以上咳が続く場合や血痰を伴う場合は、早期の医療機関受診が重要です。

横になると咳が出る原因と
考えられる病気

気管支喘息・咳喘息

気管支喘息は、アレルギーによって気道に慢性的な炎症が起こる疾患です。特に夜間や早朝に症状が悪化しやすく、横になると布団やカーペットに潜むダニやハウスダストに反応して咳が出ます。咳喘息は咳のみが症状として現れる喘息の一種で、適切な治療により本格的な喘息への移行を防ぐことができます。

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

主に喫煙が原因で気道に炎症が起こる疾患です。横になることで気道がさらに狭くなり、慢性的な咳や痰の症状が悪化します。

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肺炎

細菌やウイルスなどの病原体の感染による肺の疾患です。炎症により分泌物が増加し、横になることで咳が出やすくなります。

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逆流性食道炎

胃酸が食道に逆流する疾患で、横になると胃酸の逆流が起こりやすくなります。逆流した胃酸が喉を刺激することで咳が誘発され、特に食後すぐに横になる場合に症状が強くなる傾向があります。。

心不全

心臓のポンプ機能が低下する疾患で、横になると肺の血管に血液が滞りやすくなります。この血液の滞りが刺激となって咳を引き起こし、息苦しさを伴うことが多くあります。

後鼻漏

鼻炎や副鼻腔炎により、鼻水が喉の奥に流れ込む状態です。横になると鼻水や膿が喉に流れやすくなり、それが刺激となって咳が出ます。

咳で寝られない時の受診の目安

夜間の咳がつらくて眠れない、横になると咳き込んでしまうという場合、単なる風邪だけでなく、肺炎、肺結核、肺がん、心不全などの重篤な疾患のサインである可能性があります。
特に、以下のような症状がある場合は、自己判断せずに早急に医療機関を受診してください。

咳で寝られない時の受診の目安
  • 咳と胸痛が長期間続いている
  • 呼吸困難や息苦しさを伴う
  • 血の混じった痰(血痰)や膿性の痰が出る

など

寝られないほどの咳が続くことは、生活の質を大きく下げるだけでなく、体力や免疫力の低下、病気の進行にもつながる恐れがございます。
「いつもの風邪かな」と思っても、長引く・重い・違和感がある咳には早めの対応を心がけましょう。

横になると咳が出る・
咳で眠れない場合の対処法

適切な体位の確保

適切な体位の確保上半身を少し高くして寝ることで、気道が開いて呼吸が楽になります。枕を使って頭を高くしたり、横向きに寝たりすることで気道の圧迫を防ぐことが可能になります。

室内環境の調整

室内の湿度を保つことで気道の乾燥を防ぎます。加湿器を使用したり、濡れたタオルを部屋に干したりすることで湿度を上げられます。

のどの保湿

温かい飲み物を摂取してのどを潤すことが効果的です。ハチミツ入りの飲み物は咳の緩和に有効とされています。また、保湿性の高いマスクを着用することで、のどや鼻の粘膜を保湿し、冷たい空気の刺激から保護できます。

アレルゲンの除去

寝具をこまめに洗濯し、寝室の掃除を定期的に行うことで、ダニやハウスダストを除去します。空気清浄機の使用も効果的です。

横になると咳が出るのは
対策できる?

夜間の咳を予防するためには、日常生活の中で以下の点に注意することが大切です。

  • 寝る前のうがいでのどを潤し、アレルゲンを洗い流す
  • 首にタオルやネックウォーマーを巻いて気管を温める
  • 刺激の強い食べ物や飲み物を避ける

これらの対策により、夜間の咳を軽減することが可能です。ただし、根本的な治療のためには、原因となる疾患の特定と適切な治療が必要です。セルフケアを行っても咳が続く場合や、発熱、血痰などの症状を伴う場合は、感染症や重篤な疾患の可能性がありますので、当院までお早めにご相談ください。