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痰が黄色・緑・茶色・血混じり

痰が黄色・緑・茶色・血混じりは病気のサイン?

痰が黄色・緑・茶色・血混じりは病気のサイン?痰の色の変化は、体の状態を知る重要な手がかりです。健康な状態では痰は無色透明から白色ですが、感染症や炎症により痰の色が変化することがあります。黄色や緑色の痰は細菌感染を、茶色の痰は慢性疾患を、血が混じった痰は重篤な疾患の可能性を示唆します。
こうした痰に心当たりがある方は、放置せずに医療機関を受診ください。

痰の色で危険な色とは?
色別に見る痰の原因

痰の色は、体内で起こっている炎症や感染の程度を反映しています。透明から白色が正常な状態で、黄色・緑色・茶色・血が混じった状態はそれぞれ異なる病気や症状を示している可能性があります。

黄色の痰

黄色の痰は、白血球に含まれる物質の影響で色が付いたものです。風邪の治りかけや急性気管支炎、肺炎の初期段階で見られ、感染に対する体の防御反応を表しています。

緑色の痰

緑色の痰は、細菌感染が進行している状態を示します。慢性閉塞性肺疾患(COPD)や気管支拡張症などで細菌が定着し継続的な炎症が起こっている場合にも認められます。

茶色の痰

茶色の痰は、古い血液成分や慢性的な炎症による血液の分解産物が含まれています。長期間の喫煙や慢性気管支炎、肺気腫で見られ、肺結核や肺癌などの重篤な疾患の初期症状として現れることもあります。

血が混じった痰(血痰)

血痰は、気道や肺からの出血を示しており、炎症の悪化や血管の損傷を表しています。量や持続期間に関わらず速やかに医療機関での検査が必要です。

どんなときに病院へ?
痰の症状から見る受診の目安

痰の色が変化した場合、特に黄色や緑色、茶色、血が混じった痰が出現した場合は、医療機関での診察をおすすめします。些細な変化でも、気になることやご不安がありましたら、お気軽にご相談ください。

このような症状はありませんか?

このような症状はありませんか?
  • 痰に血が混じり、数日間続いている
  • 黄色や緑色の痰が続き、発熱や息苦しさを伴っている
  • 茶色や黒っぽい痰が出て、体重減少や持続的な咳を伴っている

など

痰が絡むときに考えられる
主な病気

急性・慢性気管支炎

急性気管支炎では、ウイルスや細菌感染により気管支に炎症が起こり、初期は白い痰から徐々に黄色や緑色の痰に変化します。慢性気管支炎では、長期間にわたる刺激により常に痰が出る状態が続きます。

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肺炎

細菌性肺炎では、黄色から緑色の膿性の痰が特徴的で、高熱や胸痛を伴うことが多いです。ウイルス性肺炎では比較的軽い症状ですが、免疫力の低下した患者さまでは重篤化することがあります。

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慢性閉塞性肺疾患(COPD)

主に喫煙が原因で起こる疾患で、慢性的な咳と痰が特徴です。病気の進行とともに痰の色が変化し、息切れや呼吸困難を伴うようになります。

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気管支拡張症

先天的要因や感染症の後遺症により気管支が拡張し、細菌が繁殖しやすい環境となります。緑色の痰や血痰が頻繁に出現し、慢性的な咳と発熱を繰り返します。

色のついた痰・血痰の
検査と治療方法

検査方法

黄色・緑色などの色のついた痰や血痰が認められた場合、原因を特定するために検査を実施します。

喀痰培養検査

痰の中に含まれる細菌や真菌を培養し、感染の原因となる病原体を特定します。必要に応じて、抗菌薬に対する感受性も調べ、適切な治療薬の選択に役立てます。
主に細菌性肺炎や気管支炎などの感染症の診断に用いられます。

喀痰細胞診検査

痰の中の細胞を顕微鏡で観察し、悪性細胞の有無を調べる検査です。特に、肺がんの早期発見に有効で、痛みなどの身体的負担も少なく、外来でも簡単に受けられる検査です。
血痰が続く場合や、長引く咳を伴う場合に実施されることが多くなります。

治療方法

治療方法検査結果に基づき、原因に応じた適切な治療法を行います。細菌感染症が原因の場合は、培養検査の結果に基づいて適切な抗菌薬を選択します。ウイルス感染症の場合は対症療法が中心となります。慢性疾患の場合は、病気の進行を抑制し症状をコントロールする治療が主体となります。
また、精密検査や専門的な治療が必要な場合には、専門医療機関と連携し、早期発見・早期治療をサポートいたします。

よくある質問(Q&A)

黄色や緑、茶色の痰はすぐに病院に行かなくていい?

数日以内に改善する軽症もありますが、1週間以上続く場合や他の症状があれば受診をおすすめします。

血痰が一度だけ出た場合は様子見でも大丈夫?

少量の血痰が一度だけ出た場合、咳のしすぎや喉の軽微な傷が原因の可能性もありますが、重篤な疾患の初期症状である可能性も否定できません。一度でも血痰が出た場合は医療機関での検査をおすすめします。

痰が出るけど熱がないのは問題ない?

発熱を伴わない痰でも、慢性気管支炎やCOPD、肺癌などの可能性があります。特に痰の色が変化している場合や、症状が長期間続いている場合は、発熱がなくても医療機関での診察が必要です。

痰は出した方がいい?

痰は気道に溜まった異物や病原体を排出する重要な生体防御機能です。痰を無理に抑制すると、気道内に病原体や異物が停滞し、感染症の悪化や肺炎のリスクが高まります。適切な去痰薬の使用や水分摂取により、痰を出しやすくすることが症状の改善につながります。

ベトベトした喉にへばりつく痰の原因は?

粘性の高い痰は、慢性的な炎症や脱水、喘息などが原因で生じます。十分な水分摂取と加湿、医師の指導のもとでの去痰薬の使用により、痰の粘性を下げて排出を促進することが大切です。