- 睡眠時無呼吸外来のご案内
- 睡眠時無呼吸症候群はどうやって
気付く?症状をセルフチェック - 睡眠時無呼吸症候群の原因
- 顔つきで分かる?睡眠時無呼吸症候群になりやすい人の特徴
- 睡眠時無呼吸症候群を放置すると
どうなる? - 睡眠時無呼吸症候群の検査
- 睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸外来のご案内
当院の睡眠時無呼吸外来では、睡眠中に呼吸が繰り返し止まってしまう睡眠時無呼吸症候群(SAS:Sleep Apnea Syndrome)の診断と治療を専門的に行っています。いびきや日中の強い眠気でお悩みの方、ご家族から睡眠中の無呼吸を指摘された方は、お早めにご相談ください。
睡眠と呼吸の関係性とは?
睡眠中は全身の筋肉が緩むため、健康な方でもある程度気道は狭くなりますが、通常は呼吸に支障をきたすことはありません。しかし、さまざまな要因により気道が過度に狭くなったり、完全に閉じてしまったりすると呼吸が止まってしまいます。
呼吸が止まると血液中の酸素が不足し、脳が危険を察知して一時的に覚醒します。この覚醒により呼吸は再開しますが、深い睡眠が得られず睡眠の質が低下します。
睡眠時無呼吸症候群は
どうやって気付く?
症状をセルフチェック
睡眠時無呼吸症候群は自分では気づきにくい疾患です。以下の症状に心当たりがある方は、早めの受診をおすすめします。

- 大きないびきを指摘される
- 睡眠中に呼吸が止まっていると言われた
- 夜中に何度も目が覚める
- 起床時に頭痛や口の渇きがある
- 十分寝たはずなのに疲れが取れない
- 日中に強い眠気を感じる
- 集中力や記憶力の低下を感じる
- 運転中や会議中に居眠りしそうになる
睡眠時無呼吸症候群の原因
睡眠時無呼吸症候群は、気道が狭くなったり閉塞したりすることで起こります。
主な原因として、肥満による首回りの脂肪増加、扁桃腺肥大、下顎の後退、舌根の肥大などの解剖学的な要因と、加齢による筋力低下、アルコールや睡眠薬による筋弛緩の増強、ホルモンバランスの変化などの機能的な要因が挙げられます。
顔つきで分かる?
睡眠時無呼吸症候群に
なりやすい人の特徴
睡眠時無呼吸症候群は、外見的な特徴から睡眠時無呼吸症候群のリスクをある程度予測することができます。
ただし、これらの特徴があっても必ずしも発症するわけではなく、また、これらの特徴がなくても発症する可能性があることを理解しておくことが大切です。
顔つき(見た目)
日本人を含むアジア人は、骨格的な特徴から睡眠時無呼吸症候群を発症しやすいとされています。以下のような特徴がある方は注意が必要です。
- 下顎が小さい、後退している
- 首が短く太い
- 舌が大きい
体型
肥満は睡眠時無呼吸症候群の大きなリスク要因です。特に首回りに脂肪がつくと気道が狭くなりやすくなります。
年齢・性別
男性では中年期に多く見られ、女性は女性ホルモンが減少する閉経後にリスクが高まる傾向があります。小児では扁桃腺肥大やアデノイド肥大が主な原因となることがあります。
生活習慣
飲酒の習慣、喫煙、不規則な生活リズム、ストレスの多い生活などは、睡眠時無呼吸症候群のリスクを高めます。特に就寝前の飲酒は、のどの筋肉を過度に弛緩させるため避けることが望ましいです。
睡眠時無呼吸症候群を
放置するとどうなる?
睡眠時無呼吸症候群は、慢性的な酸素不足状態が続くことで全身にさまざまな合併症が生じ、生命に関わることもあります。早期の診断と適切な治療によりこれらのリスクを大幅に軽減することができるため、症状に心当たりがある方は早めの受診をおすすめします。
日常生活への影響
慢性的な睡眠不足により、日中の強い眠気、集中力や判断力の低下、イライラ感などが生じます。これにより仕事の効率が下がり交通事故のリスクも高まります。居眠り運転による重大事故の危険性は、健康な方と比較して明らかに高いことが報告されています。
心血管系への影響
無呼吸により血中酸素濃度が低下すると、心臓に大きな負担がかかります。高血圧、不整脈、心筋梗塞、脳卒中などの発症リスクが高まり、これらの疾患による突然死の危険性も増加します。
生活習慣病との関連
睡眠時無呼吸症候群は、高血圧や糖尿病、脂質異常症などの生活習慣病と密接に関連しています。これらの疾患は相互に影響し合い悪循環になることがあるため、総合的な健康管理が必要です。
睡眠時無呼吸症候群の検査
小型の機器を貸し出し、ご自宅で普段通りに就寝していただきながら検査を行います。
指先のセンサーで血中酸素濃度を、鼻のセンサーで呼吸状態を測定し、睡眠中の無呼吸の回数や程度を評価します。簡易検査の結果、精密検査が必要と判断された場合は、連携医療機関などをご案内いたします。
睡眠時無呼吸症候群の治療法
睡眠時無呼吸症候群の治療は、症状の重症度や原因、患者さまのライフスタイルに応じて選択します。軽症から重症まで幅広い治療選択肢があり、複数の治療法を組み合わせてサポートいたします。
CPAP療法
中等症以上の方に推奨される治療法です。睡眠中に鼻マスクを装着し、装置から持続的に空気を送り込むことで気道を確保し、呼吸をスムーズに保ちます。
治療の仕組み
CPAP装置から送られる空気の圧力により、睡眠中、気道が広がった状態を保ちます。これにより、いびきや無呼吸の症状が軽減され、質の高い睡眠が得られるようになります。
治療の効果
多くの患者さまが使用開始後、すぐに日中の眠気の改善を実感されています。また、血圧の安定化など、全身の健康状態の向上にも期待できます。
継続のポイント
最初は違和感を覚えることもありますが、マスクの調整や装置の設定を工夫することで快適に使用できるようになります。継続して使用することで、安定した効果が期待できますので、医師やスタッフと相談しながら無理なく続けていくことが重要です。
マウスピース療法
軽症の方やCPAPが使用できない方に適応している治療法です。睡眠中に装着することで下顎を前方に固定し、気道を確保します。
生活習慣の改善
すべての患者さまに推奨する基本的な治療です。減量、禁煙、節酒、規則正しい生活リズムの確立などにより、症状の改善が期待できます。
外科的治療
扁桃腺肥大やアデノイド肥大が原因の場合、手術により症状が改善することがあります。必要に応じて専門医療機関をご紹介いたします。